C83作品紹介とうんちくいろいろ

こんばんは、やまにょんです。

nyonline record が C83 にリリースする新作「それでも私はセンパイが苦手だ」の特設サイトはもうご覧いただきましたか? 前回「さくこみ1」からお楽しみいただいている皆様、ありがとうございます。今回初めて興味を持ってくださった皆様、これからどうぞよろしくお願いします。

nyonline record は前回夏コミ「C82」がイベント初参加の若輩サークルでございます。そのため参加者の声をリアルに聞いたのは前回が初めてでした。そこでは「ボイス ドラマ CD をどうやって楽しんだらいいのかわからない」「ボイス ドラマ CD は苦手なんだ」といった声が多数、ありました。そこで今回は、この作品はどうやって楽しんだらいいのか、僕がなぜ「ボイス ドラマ/ボーカルCD」を作るのか、といったことについてお話できればと思います。

楽しみ方をお話するには、まず僕がなぜ nyonline record でドラマ CD を作成しだしたかについて理解してもらえると、わかりやすいかと思います。まず、オリジナルの音楽 CD というのは、それ単独ではどうしてもテーマ性が失われてしまい、たとえば聞いている人も感情移入しにくいものになってしまう結果となってしまいますし、それ以上に作り手側も、「これ!」という目的やイメージを持って作品作りに取り掛かれない、という実情があります。これは同人音楽だけに限らず、その他のオリジナル作品を作成しているすべてのサークルさんにも言えることなんじゃないかな、と思います。

このサークルを立ち上げた時、僕は、僕が思い描くオリジナルの彼女たちが、どうやったら本当に生きた歌を歌えるのか、それをずっと考え続けました。彼女たちにはひとりひとり、友人が居て好きな人が居て、そこに関わるたくさんの人たちがいて、それを音楽に全部乗せて歌ったら、どうしてもおなか一杯になっちゃうじゃないですか。そうした背景をもっとうまいこと消化させて、でも歌という力がそこに必要とされる、そういった作品を作りたかったのです。

そして行き着いた結果が今の形であり、それを形にできるな、ってなんとなく踏み込めたのが、このサークルのよき理解者であり友人の紫季さんなんです。このサークルの作品は、彼が脚本や配役を考え、僕が全体のストーリーと音楽を作ることで成り立っています。この二人がお互いの持っている力を上手に組み合わせていくことで、僕が考えていた「背景の消化」と「生きたキャラクター」が両方成立する、そう思ったからこその今の形になっているのです。

音楽を聴いただけではわからない「キャラクター」を楽しんでもらいたい、ドラマ CD を聞いただけでは伝わりにくい「ライトな共感」も受け取ってほしい、そう思いながらこの作品たちを作っています。ですから、キャラクターを楽しみたいときはボイス ドラマを、もっと気楽に空気感やイメージを楽しみたいときに音楽を、時間がある時にじっくり腰を据えて両方、そういう風に楽しんでもらえたらな、そう思っています。この CD はオリジナル作品です。何か前提知識が必要だとかそういうことはありません。世界観はつながっていますが、CD 単体でしっかりその作品が成立するようになっています。いつでも、どの CD でもいいです。気軽にピックアップして、楽しみたい楽しみ方で聞いてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

そして、ドラマ CD というジャンルは、古くは「ツインビー」「爆れつハンター」などがわゆるラジオドラマを展開し、また最近であれば「アイマス」がたくさんのドラマ CD を生み出しています。この作品を通じて、こうした商業作品にもぜひ興味を持ってもらえれば、作った甲斐があるというものです。

今日はいつもとは違った真面目な話になりましたが、こうした想いなんて気にせず、ぜひ自分なりの「さくこみ」の楽しみ方を作ってもらえたら、そしてそれを僕に教えてくれたら、こんなに嬉しいことはありません。

コミケまであともう少しです。早く作品を皆様にお届けできたらと思いながら、当日イベント会場でお会いできること、楽しみにしています。